そこでこの記事では、そんな予算編成のお悩みを解決する「予算管理クラウド」の概要からメリット・デメリット、選ぶ際の視点まで、しっかり解説していきます。
目次
1)予算管理クラウドとは
そもそも「予算管理」とは何を指しているかご存じですか?
「予算管理」とは、“1年の初めにその年の計画を立て、1年の終わりに実績と比較して分析を行い、その分析を織り交ぜながら次の1年の計画を立ててよりよい企業活動を行っていくための管理手法”のことです。
貴社ではこの予算管理をどのように行っていますか?
エクセルを使ってデータ入力やその管理をしていませんか?そのような企業の担当者から、「計画策定や見通し作成に時間が取られて困っている」というお話をよく耳にします。
そこで救世主になる「予算管理クラウド」とは、そういった予算編成、予実管理、経営判断で求められる機能を、クラウドで高度かつ効率的なソリューション提供を行っているITシステムです。リモートワークが推奨されている中で、予算管理クラウドは最近特に注目されるようになりました。
2)予算管理クラウドのメリット・デメリット
それでは、予算管理クラウドの主なメリット・デメリットをお話ししていきます。
メリット
①エクセルのような使用感で、なじみが深い
エクセルでデータの集約を行っている企業は多いかと思います。管理会計において重要な意思決定を下す経営陣の方々から、日々の売上・経費・調達・償却・配賦などの管理を行う経理の方々まで、今までの操作感覚そのままで使える敷居の低さが大きなメリットとして挙げられます。
②データ集約・再編成の効率化
予算管理において、最も大変だとお声が多いのが「エクセルのデータ集約に時間がかかる」「イレギュラーの状況下で、再編成に十分に時間をかけられていない」というお悩みです。
そこで、予算管理クラウドでは、何種類もの属人化されたエクセルファイルを使うのではなく、全社統一のデータベースシステムを使うことになります。そのため、管理会計に必要な数値に関わるすべての人が、リアルタイムで入力や確認を行うことができ、データの可視化が実現されるのです。
また、期中に予算や見通しの再編成に迫られた場合でも、複数のバージョンを瞬時にシミュレーションでき、数値を修正、実績との比較もスピーディに出来るという点も魅力的です。
デメリット
①費用がかかる
予算管理クラウド導入にあたって、多くの場合、初期費用とランニングコストが必要となります。
「製品のクオリティがより高いものがいい」、「とにかく早く安く使いたい」など、企業によって要望は様々だと思います。予算管理クラウドは製品によって数万~数百万まであるので、予算と要望に合わせて選定していくのがよいでしょう。
ただ、現場視点での集約の効率化や、経営の意思決定における分析のシミュレーションの高度化が図れるという点において、経営企画の方々にとって費用対効果としてはかなり高いと言えるでしょう。
3)予算管理クラウドの選び方
①今使ってるシステムとの連携が簡単かどうか
予算管理クラウドを導入するにあたって、一番重要なポイントが、現在お使いのERP(基幹システム)や会計システムとの操作的な相性が良いかどうかです。
ERPとは、企業がビジネスを行う際に根幹となる業務システムのことです。 主に、企業が製品の生産から販売、最終的な納品や請求書発行の業務部分を指します。仮に現在のデータをまるまるリセットし、ゼロから新しいシステムを導入して再度データフォーマットの作成となるとかえって時間と労力がかかってしまいます。
よって、現行のERPとデータ連携ができるのか、ネイティブ連携などで自動連携ができるのか、など確認は必須です。
②データの移行が簡単かどうか
予算管理クラウドの導入を検討されているのであれば、現在エクセルを使用している方が多いのではと思います。
そのため、売上データや販売データなど、既存のエクセルやシステムからのデータ移行がしやすいことは重要です。
その辺りの機能性や操作性は、使ってみないと分からない部分もあるでしょう。無償/有償トライアルが用意されているようであれば、是非活用しましょう。
③費用面が合うかどうか
世の中に予算管理クラウドはたくさんあります。ただ、業種、業態や企業規模、ご希望の使用方法などによって予算管理クラウドに捻出できる予算というのは多種多様です。
ポイントは3つ、初期導入費用、保守費用、必要なオプションがどのような費用感なのか確認しておきましょう。
オプションとは、貴社システムやエクセルとの自動連携、分析ツールなど、製品によって何がオプションかは変わってきます。
また、大事な経営会議で、「じゃあこういう数値は?」とその場で他のシミュレーションを要求されることもあるかと思います。こういった場合に、数値管理者自身で問題なく操作できるよう、自走のためのトレーニング・サポートが手厚いとよりベターです。
まとめ
今回は予算管理クラウドの概要をお話ししました。グローバル化やパンデミック、DXなど目まぐるしく変化する世の中、俊敏性をもってしなやかに動き続けられる企業が残っていくような流れで、柔軟なシステム編成が生き残る鍵となると言えるでしょう。