アジリティ経営を支える「予算管理クラウド」とは

アジリティ経営を支える「予算管理クラウド」とは

「結果」主義時代の終焉?

「アジリティ」(Agility)は「機敏」「敏しょう性」「軽快さ」と訳される単語です。

「機敏」「俊敏性」「軽快さ」の意味を持つ「アジリティ」(Agility)。
アジリティ経営は、文字通り「アジリティ」+「経営」の造語ですが、短期的、中期的、長期的といった時間軸の概念が大幅に短縮され、業界種別にかかわらず、企業経営において必要不可欠なコンセプトとなっています。

大きな要因としては、情報通信技術の革新が主軸であり、結果として、市場変化や業態進化、そして、DXや働き方改革などの施策展開が、経営層に課せられてきました。
この課題は、企業規模や、業界特性に準じて、それぞれの企業ペースで取り組まれてきたように見受けます。

ところが、2020年9月現在、未だ収束の目途が立ちそうにない、新型コロナ禍という外的要因(企業経営という視点での)は、これまでの経営概念を覆し、月以下の単位での経営的判断、決定を業界、規模にかかわらず、企業経営層に求める事態となっています。
つまり「結果」から「計画」を考えることができた時代の終焉なのかもしれません。

さらにいえば、企業判断の基礎となる「計画」については、ただ早さが求められるわけではなく、具体性、蓋然性、そして、複数のシナリオに基づくシミュレーションの多様性も欠かすことはできません。

予算の再策定に追われた2020年6月

2020年6月から7月にかけて、予算管理を担当する部門の方々は、当期予算、および来期予算の再策定に奔走することになりました。
なぜなら、計画した予算の根拠が根底から崩れたためです。

関係者へのヒアリングでは、下記のようなテーマに取り組まれたと聞いています。

・売上XX%減でも営業利益を確保するシナリオ
・休業によるキャッシュフローの見直し
・社員採用計画の見直し
・マーケティング計画の見直し

予算管理業務のDX進捗が如実に表れた

予算管理業務のDXといえば、予算管理機能を付帯する会計ソフト、または、予算管理に特化したクラウドサービスの導入が一般的です。
利用シーンは様々ながら、今回のような状況下では、予算管理クラウド導入企業の方が、その効果が如実に表れたようです。

では、なぜ、会計ソフトでは、迅速な予算再策定を実現しにくかったのでしょうか。

会計ソフトに含まれる予算管理機能のメリットとデメリット

メリット:
・会計システム内で完結するため、運用が容易である。
・予算管理クラウドと比べると費用が安価である。
・実績会計データと連携するので、制度会計とのズレがおきにくい。

デメリット:
・実績管理において、制度会計連携が前提のため、管理会計視点での柔軟性に欠ける。
・データに対し、多軸属性を関連付けできないことで、セグメント分析やドリルダウンなどに対応できない場合が多い。
・特定のテーマ(IT関連費、人員、マーケティングなど)別に、分析・シミュレーションできないことが多い。
・会計システムという特性上、部門横断で利用している企業が少なく、担当者がデータ集約に追われることが多い。

アジリティ経営を実現するために必要な「計画」とは

つまり、アジリティ経営は、結果を迅速に把握し、分析し、計画との乖離を理解し、計画を見直していくことが重要になります。また、分析を精緻に行うためには、データに対し分析軸となる属性の紐づけも同様に重要です。

俊敏性、軽快さを企業経営に取り込むために、以下のトピックを検討してみてください。

・現況を迅速に把握するための効率的なデータ「集約」環境
・予算策定担当者だけでなく、売上担当部門も入力や閲覧が可能な「共有」環境
・営業活動を把握できるSFAや、精緻な財務情報が格納されている基幹システムとの「連携」環境
・計画だけでなく、結果も多面的に分析が可能な「シミュレーション」環境

予算管理クラウドの世界トップソリューション

最後に、リサーチの世界的権威、ガートナー社が発表した予算管理分野において、Leaderとして認められたサービスを紹介いたしますので、参考になさってください。

– Workday Adaptive Planning
https://www.workday.com/ja-jp/applications/enterprise-business-planning.html

– Oracle
https://www.oracle.com/jp/applications/performance-management/pbcs/overview/

– Anaplan
https://www.anaplan.com/jp/

– Host Analytics
https://planful.com/

出展:2019 Gartner Magic Quadrant for Cloud Financial Planning & Analysis Solutions

文責:予算管理コンサルタント 柳田顕

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