東芝の不適切会計の発端とは

  • 公開日:2017.02.17
  • 更新日:2017.02.17
  • コラム
東芝の不適切会計の発端とは

本日は真面目な話題ということで今ニュースで見ない日はないほどのこちらの話題について取り上げてみたいと思います。

真の経営者とは?

損益計算書から分析する東芝

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000037/021600006/?rt=nocnt

記事では2015年4月の会計問題発覚時点から損益計算書を通して東芝の現在までの分析をしています。
かなり追い詰められている状況ですが、この後経営再建の道はあるのでしょうか。
日本有数の企業だけに今後の動きにはさらに注目が集まるでしょう。

会計問題を生んだ負のループ

さて、記事でも触れられていますが東芝がこんなことになってしまったのは会計問題が発覚したことに起因しています。
当時は経営者の体質の問題についても言及されていました。
会計問題を生んだ負のループともいうべき流れというのが、

現場の試算した適切な予算が部門を通し経営者に今期予算として提出される。

経営者が受取拒否

さらに数字が積み増しされた予算が差し戻される

上記を繰り返して承認されるときには既に実現不可能な予算計画になっている

当然達成は不可能

経営者が責任を部門に押しつけ

会計処理を工夫することに

上記ループが常態化

以上の流れがあったと言われています。

会計資料に嘘はつけない

そもそも会計・経理というのは原因と結果が密接に繋がっていて、過去と現在の間に曖昧さが入り込む余地はありません。
利益のかさ上げを一度でもおこなってしまうと確実に数字の歪みがどこかに生じます。
その歪みの矛盾を隠すためにさらにどこかに歪みを作らなければなりません。

一度ウソをついたら、そのウソを隠すためにさらにウソで塗り固めることになり、気づけば取り返しのつかないことになっていた、というような事態と一緒ですね。

そんな経営資料にはもはや何の価値もありません。

真の経営者とは

経営者が予算計画に対して達成を求めることはごく自然なことですし、業績拡大のためにハードルを上げていくこともまた当たり前のことでしょう。
ただ、会社の実態をしっかりと受け止め、数字と正面から向き合い、その上で経営判断をおこなわなければなりません。
会社に対して、株主に対して、社会に対して誠実であることが求められます。

誠実でありながらもさらに会社を成長させることのできるビジョンを持てる経営者こそ真に力のある経営者なのかもしれません。

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